レポート

真珠研究室だより

昨年から長崎県の養殖場の協力で手術貝を送っていただき、研究室で真珠を取り出し、貝の状態と真珠を観察、分析するという実験を行っています(図1,2)。

 

図1 送られてきた手術貝

図2 貝剥きの様子

 

分析結果は、終了後に報告するとして、今回は実際に毎月数十個の貝を開け、真珠を取り出すなかで気付いたことを報告いたします。
昨年夏から、三重、愛媛の養殖場で問題となっていたアコヤ稚貝のへい死では、外套膜が縮んで死んでしまうという状況だったそうです。成貝ではへい死は少なく、徐々に正常に戻っていくということらしく、九州では被害は小さかったようですが、痕跡のある貝が数貝見つかりましたので、紹介いたします。
一旦外套膜が縮んでしまった貝(図3)から取り出した真珠は、それほど影響を受けていないようでした。症状が軽かったからかもしれません。

 

図3 外套膜が一旦縮んだ思われる貝

図3-2 真珠

 

中には、身に赤味があるもの、外套膜に赤い線があるものなど、少し弱ったと思われる貝もありました(図4、5)。

 

図4 外套膜に赤い線が入っている貝

図4ー2 真珠

図5 身がやや赤い貝

図5ー2 真珠

 

今後、これらの貝の状態と真珠の品質の相関なども、まとめていく予定です。