連載
コラム

小網代小パール海育隊だより -真珠核入れ修業3

コロナ禍になって、三重にも行くことができなくなり、自力での試行錯誤がつづきます。
以前にも書きましたが、最初は、とにかく、核と細胞を貝の中に入れることばかりに夢中になっていましたが、志摩へなんども通わせていただいたおかげでやっと見えて来たのは、核入れする母貝のコンディションの違いです。

当初は、ものすごくムラがあり、切ったとたんに卵があふれ出して来るものがあっても、強引に核入れをしていました。師匠のところの貝はやせすぎてもおらず、それでも綺麗に透けていて、入れた細胞も核も良く見えます。


師匠は卵が残っているものには核入れせず、コンディションの良いものを選んで核入れをしていました。
「珠の良し悪しは、仕立てで決まる!」と言われてはじめて、付け焼刃的に仕立てへの気づかいを始めました。

ひと箱へ入れる貝の数、釣る高さ、日数、どれが正解か?全くわかりません。 師匠の指示通り、使う数日前に、貝の様子を見て、卵が抜けていなければジモを切ったり、貝の状態を見て核入れの日にちを決めたりし始めました。


なんとなく、仕立てのリズムみたいなものもわかって来て安心していましたが、2021年、学校から5月はじめに核入れをやりたいと言われたのが3月も大分過ぎたころ。二つ返事で引き受けたものの、あっ、まだ仕立てしていないよ!という始末。師匠にお伺いを立てると「間に合わんやろ~。」とのこと(-_-;) この時期は本来は年末から時間をかけて卵を抜くと聞いてびっくり。
とにかく仕立て籠に詰めて、何度も電話をかけてのアドバイスにしたがい、ジモを切ったり、釣る高さを変えてみたり。どうにか、子どもたちでも核入れできるような状態にしました、しかし、この時の珠のできがわかるのは今年の年末です。どうなることやら?
その後も、コロナのお陰で、会員の核入れも中止になったりで、箱詰めしたまま忘れていたり。箱詰めした順番を間違えて、新しいものを使ってしまったりと、なかなか、これは完璧!と自信を持てるものは少ないものの、メンバーでの核入れの際に、「この籠のは入れやすい」「これは卵が多い」と、言われることに一喜一憂しながら、せっせとまた箱詰めをしました。2020年、核入れした貝は、約1200個、2021年は約1750個となりました。
本職の方から見れば、笑われそうな数ですが、本業の合間に行う作業ですので、ここまで来るのは大変でした。
2022年は2000個突破、いや3000個?を目指してがんばります。