年初から始まったコロナ禍に世界中が席捲され、未だ克服のめどもたたない日々の中、横浜で開催された秋のIJTに出かけました。宝飾展は最新情報や新商品の宝庫、友人知人に会えることもさることながら業界で何が起こっているか、どのようにコロナ禍に対応しているのかを肌で感じることもできます。とりわけ今回はSNSの凄まじい威力を見知ったことが大収穫でした。
その一つが中国の若い女性バイヤーたちによるSNSライブ動画販売の光景がいたるところで見られたことです。ミニ三脚にスマホを固定して机に置き、動画と会話のオンライン即売、中国全土がマーケットでしょうから凄い規模です。また聴講したセミナーのほとんどがSNS関連、コロナ禍のマーケット環境の中で明確な解決の道を示しています。今や宝飾業界においても強力なインターフェースになっていて、SNSを活用せずして商売は成り立たない様相です。
中でも真珠関係で敬服したのは次の二社、一社は東日本ジュエリーショップ大賞を受賞した某社。SNSユーザーの信頼を得る為に自社で品質基準を策定し一品一品点数化しありのままをUPするという徹底ぶり、勿論SNS応対は完璧です。もう一社は知人の会社、以前はダイヤモンド製品などをメインに取り扱っていたのですが今回ブースを拝見するとすべて真珠製品、小さなブースでしたが中国人バイヤーが黒山の人だかりです。オーナーがやり方を特別に教えてくれたのですが、宝飾展に照準を合わせて商品を作りこみ、その間中国人バイヤーに向けてSNSでラインナップを紹介し続け、いざ当日はそのラインナップをめがけてバイヤーが殺到し我先にと購入、もしくはその場で、ライブ動画で中国に住むユーザーに直接販売、成約すればペイペイで決済されるので回収の心配なし、買った商品はバイヤーさんがEMSで中国に僅か¥1400で発送できるのですから売れないわけがありません。ただし、注意すべき点は品質の良い珠を使うこと。これも、目利きのオーナー自ら行いますから完璧です。と言うことで全品完売現金化してしまい、次の展示会に向けての作りこみ、というビジネスモデルを作り上げたとのこと。もちろんSNS担当の中国人スタップも常駐です。
コロナ禍に対し「明けない夜は無い」と足元を固め選択と集中で持久戦を勝ち抜こう的な政策を採るか「変化に対応できるもののみが生き残る」との積極対応策を採るかで日々試行錯誤されておられる経営者の方々が多いとは存じますがいずれにしてもSNSの活用は必須だと感じた展示会でございました。