連載
コラム

一陽来復 - 真珠オンライン学習

コロナパンデミックにより外出自粛が要請され、新しい生活様式と言うことでオンライン学習が急速に導入されるようになりました。ロックダウン下の各国の宝飾教育機関もオンライン講座を世界中に向け発信し始めております。

こんな中、友人がPearls As One(https://www.pearlsasone.org/)と言う真珠のオンライン講座があると教えてくれました。主催者はCultured Pearl Association of America, Inc.(CPAA)という組織です。(ここからは英語の不得手な筆者が見ての感想ですからいささかずれていたらご容赦下さい。)提携先にまずPASPALEYを筆頭に七社、JPEA(日本真珠輸出組合)の名前もありますのでいい加減な講座ではない様に見受けられます。
Pearls As OneのHPにある日本語の説明文を引用させて頂くと

「真珠は、最も誤解されている宝石のひとつです。というのも、業界の教育プログラムでは、主にダイヤモンドや色付きの石に焦点が当てられているからです。異なるタイプと品質の真珠に関し、わずかな知識もしくは理解しかない 認定宝石鑑定人が多くいるのが現状と言えます。 そんななか、このCPAA 真珠スペシャリスト認定コースは、あなたの養殖真珠業界に対する見方を一新することになるでしょう。最新かつ完全な、真珠に関する教育プログラムをお届けします。」

とありますのでまずは筋の通った主旨です。
CPAAのHP(https://www.cpaa.org/)にあるPearls As Oneのプロモーションビデオには教科書が二ページほど写っていて内容に若干のニュアンスがあるにせよほぼそんなものかと思わせます。お断りしておきますが筆者はこの講座の良否や宣伝をしたくて書いているのではありません。私が驚き、皆さんにお伝えしたかったのはこの講座が米国の組織によるものであり使用言語が英語はじめ10か国語に対応しているという点です。(サインアップ$599、英語版は無料)

これに引換日本の状況はと言いますと日本真珠振興会がオンラインで真珠検定(JA検定のみ)を実施しておりますが使用言語は日本語だけ。つまり日本人の日本人による日本人のためのオンライン講座です。かつて御木本翁がアコヤ養殖真珠で世界席捲を目指していたのとは大きな開きがあると感ぜざるを得ません。日本のアコヤ養殖真珠の良さはここにありと日本自ら世界に叫ばずしていいのでしょうか。せっかく全国組織「真珠産業連携強化協議会」が設立されているのですから、ポストコロナ・ウィズコロナを見据えオール・ジャパンで世界にアピールするためにせめて英語の講座くらいはあってしかるべきではないかと思うのであります。