レポート

真珠研究所だより ー 真珠の内部観察

aurora310

真珠の内部を観察するには、孔口から目視観察する以外に、光透過観察、レントゲン観察などがあります。

 

孔口からの目視および拡大観察では、真珠層と核の境界部の着色染料(図1)や、放射線照射による黒褐色化した核(図2)などが確認できます。
 
図1 真珠層と核の間に赤い染料が確認できる(右:孔口拡大)



図2 放射線照射真珠(左)とナチュラルブルー真珠(右)の接写(上)と孔口内部(下)

 

光透過観察は強い光を真珠に当て、真珠内部を観察する方法です。この観察では養殖真珠の核と真珠層の境界部の有機物の有無や、放射線照射された真珠内部の核の黒褐色化(図3)などを観察できます。また、核われや真珠層のわれが光の濃淡の境界となって確認できます(図4)。

図3 光透過法による放射線照射真珠(左)とナチュラルブルー真珠(右)

図4 光透過法による核われ真珠(左)と層われ真珠(右)

 

レントゲン観察では、X線照射方向から真珠内部を透過してきたX線の量がフイルムや画像に濃淡で表わされ、真珠層の厚さや境界部の有機物の量(図5)、あるいは核の有無の確認(図6)などができます。

図5 有核真珠のレントゲン画像

図6 バロック真珠のレントゲン画像

 

マイクロCTでは、ある方向からX線を照射して得られた画像を積み重ねていき、最後に立体的に合成します。真珠層内部が正確に分析できるため、われがよりはっきりと確認できます(図7)。真珠層が厚く積層しているシロチョウ真珠や真珠層に色素があるクロチョウ真珠で、真珠層のわれが光透過で確認が難しい場合でも、マイクロCTでは、核付近から表層までのわれを確認することができます。

図7 シロチョウ真珠(まき5mm)の層われのCT画像
(真珠のX,Y,Z軸における断面画像)

 

このように、真珠内部の観察方法は種々の方法を組み合わせて行うことでより多く情報を得ることができます。