<東日本大震災による被災真珠修復のその後>
東日本大震災の支援活動のひとつとして、弊社では被災真珠を無料にてクリーニングの受付を行ってまいりました。先日、宮城県石巻市の小売店さまよりお預かりした商品がありましたのでご紹介します。
1. 依頼商品
・形状 ラウンド系K14WGクラスプ
0.0.3刻印あり
・サイズ 7.0―7.5mm
・色 ホワイト
・珠数 54珠
2. 目視観察
真珠層表面に汚れの付着が原因と思われる「てり」の鈍化がみられます(図1,2)。
図1 当該商品
図2 当該商品クラスプ付近
3. 詳細観察
顕微鏡で真珠層表面を100倍で観察してみたところ頻繁に起こる光沢鈍化の代表ともいえる汗、皮膚分泌物、化粧品等によるカビ汚れに似たマスクメロンのネット状模様のように汚れが付着しているのが見られます(図3)。
図3 テリの鈍化した箇所の拡大画像
4. まとめ
診断の結果この商品は被災程度が軽く、弊社パールリフレッシャーによるクリーニングで十分修復可能と判断し、修復作業を行いました(図4)。
図4 修復後の商品
昨年の東日本大震災に遭われました方々には心よりお見舞い申し上げます。
真珠科学研究所では、2011年末の受付終了予定を延長し、これまで被災真珠の無料クリーニングを行ってきましたが、2012年3月11日にて受付を修了いたしますので、なにとぞご理解の程よろしくお願い申し上げます。
※内容、画像とも当時のまま