芸能ネタがワイドショーを席巻しています。公正取引委員会の動きもあり、ジャニーズや吉本興業の足元がぐらついて、他のプロダクションへの波及も考えられます。「反社会勢力との関係」、「移籍への圧力」、「契約書の不在」など、昭和時代には問題にならなかった芸能界の事案が次々に問題視されるようになりました。そこに高校野球を巡っても論争が巻き起こっています。大船渡高校の佐々木投手が甲子園への県予選決勝で登板しなかった問題。評論家、特に高齢のプロ野球OBから監督への非難が出ています。一方で、現役のダルビッシュ投手などからはこの決断を下した監督を評価する声が多数派。「成長途上にある若い世代をどうやって守るか?」という命題を、長年放置してきた高野連や、ドラマ性を要求するTV局などへの批判に今後はつながって行くかと思われます。これまで長らく続いてきたことが批判の対象となる・・・令和の時代となり、様々な分野でパラダイム・シフトが発生している様子。
そんな時代の「移ろい」を感じるシーンが6月の香港ショウでありました。弊社のブースで「通販番組をやっていいか?」と中国人バイヤーからのリクエスト。頭の中は「????」でしたが、とりあえず「OK」と答えました。何がどうなるかさっぱりわからないまま、バイヤーの男女2人の行動を眺めていました。女性がスマホを固定して自分に向けます。もう一人はメモと商品をスタンバイして別のスマホを眺めています。女性が笑顔と共に中国語でカメラに向かって話し始めます。商品を見せて説明している様子。もう一台のスマホは放送画面を映しており、ちょうどニコニコ動画のように視聴者のコメントが画面に流れます。そこで注文が確認できると。次々に商品を変えて放送で紹介。放送中に「こんな商品はないか?」とサポート役の男性から依頼が来ます。もうこちらもバタバタになりましたね。小一時間ほどで放送は終了。なんでもこの様なライブ動画で販売するプラットフォームがあるとのこと。こちらは注文のあった商品をその場で納品してお金をもらって取引終了。
これまでもスマホで写真を撮ってその場でネット販売、というのは何度も目撃してきましたが、ライブで通販をいきなり始めたのはビックリでした。逆に私の方も様々な真珠素材を紹介してもらい、リアルタイムでの反応が観察でき、中国市場の一部を垣間見る良い機会になりました。
2020年代から第五世代移動通信システム(5G)の導入が始まるそうです。現在の4Gの通信速度の100倍のスピードになるとか。昭和世代のアナログ派には、その様な通信環境が何をもたらすのか?イマイチピンと来ないのですが、少なくとも動画の配信時に画像の鮮明度が格段に向上することは確かだと思います。VR機能を併用して、遠方からでも自分の指や首で試着するようなことができるかもしれませんね。そうなると卸業や小売業に革命的な変化が訪れてしまいそうな予感ですが・・・
ただ、懸念もあります。どれだけ通信速度や情報処理能力が上がっても、はたして真珠の色やテリがしっかりと相手に伝わるのか?という問題。この問題は現在においてもなかなかきっちり納得できる画像や動画を見たことがありません。この画質の問題がクリアされない限り、アナログ派にもまだ生存の余地が残るかもしれませんが・・・