連載
コラム

小売最前線ふれあいメール - 紙媒体に感謝(2018年8月号)

このところ私は「デジタル」の関連内容を頻繁にここに書いていますが、私自身このデジタルで困っている問題として、活動している時間に液晶画面を見ているということがあります。
一日を振り返ると、朝起きるのはスマートフォン(以下スマホ)の目覚ましであり、テレビでニュースを見ながら朝食を食べ、歯を磨きながら今日の予定をスマホで確認し、車載カメラを確認しながら運転。会社に入るとパソコンでの仕事を長時間し、コンビニに行けばスマホ画面をレジにかざし、動画を見ながら昼食、仕事が終わるとテレビをつけダラダラとお酒を飲む。寝るときにはSNSをチェックしたり、ベットの中で買い物に火がついたり、オークションやフリーマーケットなどをチェックし、スマホの目覚ましをセットする。
起きている中で約半分以上と言っても過言ではない時間を液晶画面を見ながら生活をしております。この繰り返しでこの数年で私の目は、年齢的なものもありますが「スマホ老眼」という症状が急激に進化を遂げております。
更には、なくしたら最後、自分の情報がその端末に集約されているものであり、さみしい世の中というか、怖い世の中というかであります。ただ、コミュニケーションツールとしては、若い世代から着実に広まっており、一昔前のメール依存症などの、スマホを手放すと不安になるという、スマホ依存症という形に変え、財布の次に持ち出すものはスマホと言っていましたが電子マネー化も進み、もう近い将来スマホだけで物事が完結してしまう勢いであります。
ウェブを制する者が、これからの世の中制するものであるのは間違いなく、着るもの、住む場所、食べるものにスマホがあれば他は何もいらない、恋人や友人、親しい同僚などいらない、一人が好きという方も増えているとかいわれます。かかわりを持たれたくない人たちに、どのようにすればいいのでしょうか。
ダイヤモンドの婚約指輪も最低限の購入率になっているさなか、今後は結婚指輪やペアリングもいらないということにならないかと心配をしてしまいます。宝石に携わる私たちが今後いかにジュエリーの良さを啓蒙することができるのか、スマホが当たり前の世の中で今までの常識を変えることができるのか、ジュエリーは古くからなくならないものとされていますが、それらをきちんと伝えること、そしてそれを身につけることの喜びを販売を通じて広めてゆかなくてはなりません。
若い人がジュエリー離れをしている、その先にはスマホが不得意な中年以上がおります。こちらから歩みよならなくては、離れてゆくだけですから、老眼で見づらくなっても液晶画面を酷使し今の情報化の波を乗らなくてはいけないのと感じます。紙から画面へとペーパーレスは自然環境への配慮ですが、画面からの情報が皆さんにとってのより近い人対人のコミュニケーションツールとなるように、双方向のジュエリーの良さを啓蒙するように変わってゆきたいものであります。
今までの紙媒体に感謝と今後の発展を目指すデジタル化に期待を込めることにいたしましょう。