ご無沙汰しておりました。さぼっていたわけでも、コロナ禍でふてくされて居た訳でもありません。山岸氏のコラムでもご紹介いただきましたウェビナー活動など、真珠のPR企画が年度末まで多々あり、なかなか執筆する時間が取れませんでした。ちなみに、皆さんにも見える活動内容としては、ユーチューブで三重県真珠振興協議会と検索していただきますと、日本語、英語、中国語で25本ぐらいの動画が配信されております。先日のウェビナーはもちろん、三重県水産研究所の種苗活動、養殖業者さんへのインタビューなど、真珠マニアにはたまらない動画が多々上がっておりますので、ご視聴いただけたら幸いです。
さて、宣伝はここまで。1年で終わるかと思っていたコロナ禍はむしろ悪化の一途。感染力が増した変異株が大阪や兵庫などで猛威を振るっています。救世主になると思われたワクチンですが、2月7日から接種が始まっているものの、4月18日時点でまだ185万回。このコロナ禍はまだまだ継続しそうです。そんな中、真珠業界内で起きている変化についておさらいしてみたいと思います。
例年は12月から始まっていたあこや真珠の浜揚げ珠入札会ですが、コロナ禍による需要の低下や緊急事態宣言の発令などで延期されていました。ようやく3月8日から厘珠の入札会が開始。全真連系(三重・長崎中心)入札会だけではなく、愛媛県漁協の入札会も4月1日から始まり、予定では5月26日まで開催されます。懸念されていた価格低下要因はもちろんコロナ禍による需要低下。値段上昇要因としてはへい死などによる生産量低下となります。しかも、今後も大珠生産への影響が数年続くと観測されている状況。そんな中、ふたを開けてみれば値段は立派の一言です。「同程度の品質比較で20%ほどの価格上昇がみられる」と入札会に参加しているメーカーからは報告が来ています。ただ、へい死によって生産量は落ちていますので養殖業者の収入は減少していると考えられます。
この入札会延期によって、浜揚げ時期への取り組みが変わる可能性が出てきました。以前から、入札会日程に合わせて浜揚げを行うことへの疑問が度々発信されてきました。12月の入札に間に合わせるためには11月には浜揚げを行わなければなりません。これに対して「環境が変わって、まだ水温が十分に下がっていない状況で浜揚げするよりは、むしろ1月まで待って真珠層を巻かせて仕上げを行った方が品質は向上するのでは?」といった声があちらこちらの養殖業者から聴こえてきていました。ただ、これまで長らく続いていた入札会日程を大幅に組み替えるのは容易ではありません。ところが今回はコロナ禍が理由ですから、日程の変更は自然に行われました。全真連の藤田哲也会長は真珠新聞(4月1日号)へのインタビューで「当年物は浜揚げを遅らせて品質は確実に良くなっている」と答え、私案ながら今後は年明けからの入札会日程への変更を示唆していました。来年度からは品質を重視する日程変更に動きそうな予感です。
展示会での変化、南洋黒蝶入札の変化など、まだまだ書きたいことはあるのですが、文字数が制限まで来ましたので今回はここまでに。(宣伝の文字を削れとお叱りがくるか?)
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