レポート

ゴールド系真珠の鑑別 その2 主な検査方法

ゴールド系真珠の着色検査には、主に以下の3つの検査が行われます。

1、 拡大観察による染料の痕跡の確認
真珠を着色する代表的な方法の一つに、染料を溶かした溶液に一定期間浸漬することで染める方法があります。この方法で着色された真珠には、表面あるいは穴口などに染料が残る場合があります(図1)。この残った染料の有無を確認することで着色された真珠であるか判定を行います。しかし、近年流通する着色ゴールド系真珠では処理技術が進歩したためか、表面に染料が残っていることは非常に少なくなりました。そのため、この方法だけでは着色の有無を判定することは難しくなりました。

2、 紫外線を照射して蛍光を確認
真珠は、紫外線を照射すると特定の蛍光を発するという特徴があります。一方、着色された真珠ではこれとは異なった蛍光を発する場合があります。この蛍光の違いを確認することで着色の可能性を探ります(図2)。しかし、ゴールド系の真珠の中には、濃いものから薄いもの、あるいは赤みが強いものなどその色調は様々であり、それにより発せられる蛍光も変わります。また、着色のゴールド系真珠もその処理方法により、発せられる蛍光が異なります。よってひとつの目安にはなりますが、これだけで断定することは難しい場合があります。

3、分光光度計にて特有の反射分光スペクトルを確認する方法
現在のゴールド系真珠の着色を判定する検査方法で、最も有効であると考えられる方法です。母貝由来の色調を持つゴールド系真珠の場合、特定の波長(360㎚と430㎚付近)に吸収が見られます(図3)。一方、着色のゴールド系真珠では見た目は同じような色調であったとしても、その色調の由来となる色素が異なるため、パターンが異なったものになります。この特定の吸収の有無により判定を行います。

真珠は1粒1粒それぞれが異なった特徴を持っています。そのため、一つの検査方法のみで判断することは難しく、様々な検査を組み合わせて総合的に判断することが重要となります。また、真珠を含め全ての宝石では常に新しい技術が開発されています。今後新たな処理技術が導入されることで、これまでの検査方法では着色か判定できないものが出現する可能性も十分に考えられます。そのため、ここに挙げた方法以外の新しい検査方法を常に検討する必要があります。