レポート

真珠研究室だより

1955年頃のビルマの天然シロチョウ真珠

 


アンダマン海の風景 (1990年頃 小松博氏撮影)

 

昭和30年(1955年)頃からおよそ10年間ビルマ(今のミャンマー)でシロチョウ真珠を養殖していたという方から、当時みつけた天然真珠8点を見せていただきました(図1)。その方は、当社創設者小松博の大学の先輩にあたり、卒業後ビルマやフィリピンで真珠の養殖に携わってきたとのことです。まず、養殖場となる場所を探し、貝を採取し、一から養殖を始めたとのこと、シロチョウ真珠養殖の創成期であり、またその時期に政変などもあり、その御苦労は私たちの想像をはるかに超えるものだったのではないでしょうか。

 

図1 今回観察した天然シロチョウ真珠

 

真珠はシルバー系からクリーム、イエロー系で、形は底面が平らな真珠3個、ドロップ1個、オーバルに近い形3個、扁平1個でした(表1)。

 

表1  各真珠のデータ

 

天然真珠であれば無核(養殖用の核が入っていない)真珠ですので、レントゲンで真珠の内部を観察しました(図2)。真珠内部に“われ”が多く確認できました。また、ドロップ形の真珠は養殖用の核のような線が見えましたので、マイクロCTでさらに内部の確認をしました(図3)。

 

図2 試料真珠のレントゲン画像

 

図3 マイクロCTによる3次元画像

 

その結果真珠の中心近くに透過率の高い箇所があり、中心部に有機物などが存在しており、レントゲンで養殖用の核のように見えたのは真珠層に沿ってわれた箇所であると判別しました。

貴重な真珠を観察する機会が得られて感謝しております。

※小松博 真珠科学研究所創設者 https://sinjuken.co.jp/profile/