真珠に現れる干渉色と結晶層
テリの異なるピンクの干渉色のアコヤ真珠2個(図1)の結晶層を観察したので報告します。
今回の試料は、便宜的にテリ強真珠とテリ中真珠とし、進めていきます。
図1 観察試料 左:テリ強、右:テリ中
最初に試料真珠のテリの輝度と干渉色を測定(図2)しました※。テリ強真珠は、干渉色値も輝度値も高い値を示しましたが、テリ中真珠は輝度が高く干渉色値は低い値となっています。目視によるテリの違いは、この干渉色の現れ方によるものと考えられます。
図2 試料真珠のテリ測定結果
次に、この干渉色の現れ方の違いがなぜ起こるのか、真珠結晶層の観察から分析しました。
2つの真珠を切断し以下の順に電子顕微鏡観察試料を作成しました。
① 切断真珠の樹脂包埋
② 断面を鏡面研磨
③ アルカリ液でエッチング
④ 金蒸着
作製した試料を電子顕微鏡で観察しました(図3、4)。
図3 テリ強真珠の表層部電子顕微鏡画像
図4 テリ中真珠の表層部電子顕微鏡画像
テリ強真珠は、表層部、特に表面から50μmまではR系~RG系の干渉色が現れる0.33~0.38μmの厚さの結晶層が整然と積み重なっていました。
それに対しテリ中真珠は、表面から50μmまでの厚さが0.31~0.45μmとばらつきが大きく、また結晶層の積み重なり方もやや歪んでいました。
これらの結晶層の積み重なり方が、干渉色値の違いに表れていると考えられます。
※テリ測定については、下記ページを参照してください。
マルガリータ「2010年8月18日」 https://margarite-web.com/report/post-2616/
マルガリータ「2014年9月2日」 https://margarite-web.com/report/post-2130/