レポート

真珠研究室だより

本年7月の熊本水害による被災真珠のクリーニング依頼が50点近くあり、画像データを取りつつ、クリーニングを進めています。
水害真珠は、土が付いているもの、白く被ったようなもの、また、水害によるものか長く使用したために劣化したものか判断が難しいものなど、状況は様々でした(図1,2,3)。

図1 褐色の汚れが付いた真珠

図2 白くなった箇所のある真珠

図3 孔口がわれてしまった真珠

まず真珠商品を観察し、洗浄、磨き、糸換えなどのクリーニング工程を行うことができる真珠かどうかを診断します。クリーニングできないと診断された真珠商品は、軽くクロスで拭いて糸換えのみでお返しします。
診断後、1点ずつクリーニングを行っています(図4)。

図4 半分クリーニングしたネックレス
下:クリーニング前、上:クリーニング後

今回のクリーニング依頼では、時間の猶予を長くいただいたので、多くのデータを取りながら実施することができています。
観察分析結果は、後日報告する予定です。