<マイクロパーマネント>
真珠は、使用後にお手入れされず日々の紫外線や温度、湿度の変化にさらされていると劣化現象が起こります。
先日小売店様から、長年ショーケース内に陳列している商品の真珠ネックレスが、仕入れた当時と比べると「黄ばみ」(黄色味)が増しているように思います。真珠科学研究所の「マイクロパーマネント」を実施すると「黄ばみ」を白く戻す事は出来るのでしょうか? とのお問い合わせがありました。
経年変化による変色や「黄ばみ」は真珠層内部のタンパク質が変化する事によるものです。
当社の「マイクロパーマネント」を実施するとそれ以降の「黄ばみ」(図1)の進行を遅らせる事はできますが、一度黄ばんでしまった真珠を白く戻す事はできません。
図1 経年変化で黄ばんだ真珠
真珠はご承知のとおり、炭酸カルシウムの結晶層とタンパク質の薄膜層が交互に積み重なった層状構造をしています。一部の真珠に起こる品質の低下は真珠層内部に存在する微小な空隙(図2)から発生すると考えられます。
図2 真珠層構造模式図
真珠科学研究所の「マイクロパーマネント」とは「クリーニング」(新品仕上げ)終了後の真珠に、真空技術を用いて高分子化合物を含浸する事により、真珠層内のタンパク質に作用し、真珠自体の耐久性を高め、以降の劣化を遅らせる為の技術です。
また、真珠内部に異質物を含有しているナチュラルブルー系真珠は異質物が経年し、乾燥や収縮する事により褪色する事が分かっていますが、この異質物をマイクロ液が固定化し、褪色を遅らせる効果もあります。
なお「マイクロパーマネント」は真珠表面のコーティングではない事を電子顕微鏡で確認しています。