レポート

真珠クレームカルテ76 (2015年8月)

「実験 マイクロ研磨」

先日、某百貨店の催事にて、パールリフレッシャーを使用したマイクロ研磨による「真珠ネックレスのクリーニング」を行っている際、お客様より「珠が小さくなるのでは」と質問がありました。今回、サイズと重量が変化するか実験しましたので報告します。

 

実験・結果
7個のあこや珠(図1)を薬品で荒らした後(図2-1,2)パールリフレッシャー(図3-1,2)にてマイクロ研磨を10回繰り返し行いました。結果、全ての珠に測定器誤差を超える変化はありませんでした。また、重量にも変化は見られませんでした。
※測定器差±0.02mm

図1 実験用アコヤ真珠

図2-1 薬品で荒らした実験用アコヤ真珠

図2-2 荒らした真珠の表面拡大(×100)

図3-1 マイクロ研磨後の実験用アコヤ真珠

図3ー2 研磨後の実験用アコヤ真珠表面拡大(×100)

 

まとめ
今回の実験では薬品を使用し溶解させているため、通常使用より深く浸食していますので、数年に1度パールリフレッシャーにてマイクロ研磨を行い本来のテリを取り戻すことでサイズが小さくなる等の問題はありません。
溶解した珠の表層を平にすることはやはり結晶層を研磨することとなりますが1層の厚さは0.3~0.5ミクロン(0.1ミクロン=0.0001mm) とゲージでは計測出来ない単位です。

 

※内容、画像ともに当時のまま