<オーロラビューアーと連相>
並び替えと糸換えが必要な商品のクリーニング依頼がありましたのでご紹介します。
1. 商品データ(図1)
形状:ラウンド系 ネックレスs
珠数:55個
サイズ:7.0~7.5mm
クラスプ:シルバー
図1 依頼商品
2. 観察
① 大きさのばらつきがあり、シルエットに歪みが見られます。
② 弊社開発のオーロラビューアー※で確認すると、隣り合う珠の干渉色の違いが分かります(図2)。
③ テグスで加工されていてクラスプには切り口が見えています(図3)。
※真珠の干渉色を見る専用の装置
図2 依頼商品のオーロラ画像
図3 依頼商品クラスプ付近
3. まとめ・修復
当該ネックレスの状況を詳しく聞いてみると、糸が切れてしまったのでお客様が自分で繋げて使用していたとのことでした。
真珠は機械で同じものを大量生産する「玉」ではなく貝が作る宝石であるため同じ「珠」は二つとありません。そのため隣り合う珠はできるだけ似た珠が並ぶように工夫されていて、大きさはセンターが大きくクラスプ側に向かって小さく左右対称になるよう並べられています。同じ55個の珠ですが並べ方や加工方法によって仕上がりの美しさに違いがでます。
お客様の了承を得て、良い連相になるようにまず大きさ順に並び替えた後、一珠ずつ移動を何度も繰り返します。仮通しにて連相の確認後(図4)、GPT(高密度ポリエチレン)糸にて加工を行いました(図5)。真珠ネックレスをテリ・色目・大きさなどすべてを見て並べることやクラスプをつける作業は技術が必要ですので、糸が切れてしまったときは専門業者に加工を依頼することをお薦めします。
図4 並び替え後のオーロラ画像
図5 仕上がり商品
※内容、画像は当時のまま