レポート

真珠研究室だより

アコヤ貝柱から出てきた真珠

 

昨年末、宇和島の養殖場からいただいた食用のアコヤガイ貝柱を家で料理して食べていたら中から3個の真珠が出てきた(図1)とのこと、ご当人からその真珠をご提供いただいたので紹介いたします。

かたちはバロックで、大きい真珠の長径が2.5mm、小さい真珠2個が1.5mmほどの大きさです。

図1 貝柱から出てきた真珠

 

アコヤガイの貝殻の内側は真珠層構造ですが、貝柱のある箇所は輝層構造です(図2,3,4)。貝柱が付着していた箇所で、炭酸カルシウムはアラゴナイト結晶ですが柱状構造となっています。したがって表面の成長模様も真珠層とは異なっています。

 

図2 アコヤガイ内面(赤円箇所が輝層) 図3 貝殻輝層箇所の断面電子顕微鏡画像

図4 アコヤガイ貝殻の真珠層構造(左)と輝層構造(右)の表面拡大画像

 

3つの真珠の表面を拡大すると、2.5mm真珠の表面(図5)は真珠層構造に見られる成長模様が確認できました。また、1.5mm真珠2個(図6,7)は、輝層構造と推定される表面模様でした。

 

図5 2.5mmの真珠(左)とその表面拡大(右)

  

図6 1.5mm真珠1

   

図7 1.5mm真珠2

 

表面が真珠層の2.5mmの珠は、外套膜内でできたケシで、貝の成長に伴って移動して、貝柱まで到着したところだったのでしょうか。想像が膨らみます。