某ネットオークションで購入した散珠の分析
某ネットオークションで「クロチョウ真珠の散珠」を購入したところ、こんな真珠が送られてきたので分析してほしい、との依頼がありました。お預かりした珠は、目視でも着色が疑われるような色合いでした(図1)。

図1 専用のライトと特殊フィルター※を用いて依頼真珠とクロチョウ真珠連を見たところ
※銀塩処理などで黒く染めたアコヤ真珠を見ると赤く見える特殊フィルター
お預かりした散珠から5個(図2)取り出し、目視検査、拡大検査、分光測定、元素分析を行いました。

図2 分析した真珠
表面を顕微鏡で拡大すると、5個すべてに真珠特有の成長模様が確認でき、真珠であることは確認できましたが、4個は表層や孔口付近に染料痕が見られ(図3)、染料着色であることがわかりました。

図3 孔口付近の染料痕
また、分光光度計で測定したスペクトル(図4)では、5個ともクロチョウ吸収と呼ばれる700nmの吸収が見られず、クロチョウ真珠ではないことがわかりました。

図4 左:5個の試料真珠の分光パターン
右:代表的なクロチョウ真珠の分光パターン
最後に蛍光X線分析装置で元素分析を行ったところ、5個中2個はマンガン(Mn)が検出されたため淡水真珠であること、また染料痕が見られなかった1個は銀(Ag)が検出され銀塩処理で着色された真珠であることがわかりました。
今回お預かりした散珠の中から選んだ5個の真珠は、すべて染料や銀塩処理で着色されており、その中の2個は淡水真珠であると判別されました。
ネットオークションなど現物を確認できずに購入する場合は、このような危険性があるということを留意する必要があります。


