真珠養殖用の核
真珠養殖に用いられる核は、真珠層構造を持つ淡水産二枚貝から作られています。挿核手術後に核の上に積層した層は、同心円状に積み重なっていますが、核の真珠層は、一定方向に積み重なっています(図1)。この核の真珠層について、観察しました。
図1 養殖真珠切断面模式図 図2 養殖真珠切断面(薄まき)
まず、真珠を核の縞模様に垂直に切断します。
切断方向は光透過法などで確認するため、まきは薄い真珠を使用しました(図2)。
次に切断面を鏡面研磨後アルカリエッチングして観察試料を作製しました。
観察は、光学顕微鏡と電子顕微鏡にて行いました。
真珠層の途中に斜めに異質層がある箇所 光学顕微鏡 2000倍
結晶層の厚さが様々に変化している様子 光学顕微鏡500倍
結晶層の中の異質層 電子顕微鏡3000倍
異質層の周りで結晶層の向きが様々な方向に向かっている様子 電子顕微鏡3000倍
核の真珠層では結晶層の厚さの変化が大きく、またうねったように積み重なっている箇所もありました。核の原料となる淡水産二枚貝の貝殻は厚みがあり、蝶番付近がより厚いため、このような構造が現れるということも考えられます。核の観察に合わせ、原料貝殻の観察も併せて観察していく予定です。