レポート

真珠クレームカルテ46 (2013年2月)

<養殖キズ?後キズ?>
某小売店佐那より、商品に最初からあったキズですが、「真珠表面に付いている線状のキズ、点状のキズが、真珠の成長過程にできたキズなのか、後日人為的にについたきずなのか」について診断お願いします、との依頼がありましたのでご紹介いたします。

1. 当該商品(図1~3)
形状 :ラウンド系 K18ペンダントトップ
色  :ゴールド系
サイズ:12.0~12.1mm

図1 当該真珠全体

図2 線状キズ

図3 点状キズ

 

2. 検査方法
「真珠表面に付いているキズが真珠成長過程にてできたキズが、後日人為的に付いたキズか」は、真珠特有の条線模様(図4)の状態を確認することにより判断できます。
真珠成長過程にてできたキズの場合は、真珠特有の条線模様が途切れることはありませんが、人為的に付いたキズ(引っかきキズ図5、押し付けたキズ図6、図7)の場合には、真珠特有の条線模様がキズの部分にて途切れていますので、光学顕微鏡でこの模様がどの様になっているのかを確認します。

図4 真珠特有の成長模様

図5 引っかきキズ

図6 押し付けたキズ

図7 押し付けたキズ

 

3. 結論
ご依頼商品の表面構造を光学顕微鏡にて50倍、100倍に拡大観察した結果、真珠特有の条線模様(図8,9)が、人為的なキズのように途切れることがなくキズ底部まできれいに確認できることから、当該商品表面のキズは「真珠成長過程にできたキズ」と判断いたします。

図8 線状エクボ部

図9 点状エクボ部

 

※内容、画像ともに当時のまま