真珠に紫外線を照射すると、真珠層に含まれるタンパク質等の有機物により蛍光を発します。浜揚げ後未処理のアコヤ真珠は紫外線照射下で黄色味を帯び、漂白後は青白色に変化することが知られており、3次元蛍光分光での違いが報告されています。(宝石学会発表、マルガリータ2022年7月、2023年7月)
ゴールド系シロチョウ真珠を紫外線下で観察すると、通常の光線で観察するよりもより黄色の濃さの違いが確認できます。
図2 紫外線照射下の図1の真珠
色素の濃いクロチョウ真珠は蛍光が弱く観察しづらいですが、強い紫外線照射下で観察すると様々な色が観察でき、普段見慣れているクロチョウ真珠とは異なる色合いを見ることができます。
図3 さまざまな色のクロチョウ真珠
図4 紫外線照射下の図3の真珠
通常の光源下では干渉色と実体色が同時に現れますが、紫外線下では干渉色は現れないため、色素の特性により現れる蛍光色が観察できると考えられます。