aurora310
マルチカラーのネックレスの中にピンクからオレンジ色の真珠が含まれていることがあります(図1)。
染色痕が無いこと、紫外可視分光測定で稜柱層由来の赤系色素の特徴である500nmの吸収が見られることから、調色や着色ではなく貝殻由来の色素であると判別しサンプルとしてネックレスの中の1個を提供いただきました(図2)。
図1 アコヤ真珠マルチ連
図2 オレンジ色のアコヤ真珠
この真珠を切断し薄片として断面を観察すると、真珠層の中層に稜柱層とみられる構造が存在し(図3)、その近辺に赤系の色素があることが確認できました(図4)。この色素が表層の白色系の真珠層を通してピンク系からオレンジ系に見えたと考えられます。
図3 オレンジ色のアコヤ真珠薄片
図4 薄片真珠層部拡大